サイレンナイト総評(4話まで)

  • カテゴリ

現代日本を舞台にしたオーソドックスな退魔もの。

  • 戦闘

ユニットごとに個性的な特徴があり。難易度は、ボーナスクリアするためには考える必要がある感じ。
ぬるめだが、万人向けの適正な難易度。

  • 総評

日常会話の描写は、ライトノベル調と言えばよいのだろうか。ライトノベルの定義・境界が明白でないので、完全にそうだとも言い切れないが。
キャラクターの魅力で引っ張るタイプ。どちらかと言うとストーリーの構成ではなく、キャラクター間の掛け合いを楽しむタイプ、と言えばいいのだろうか。


現代日本の「普通の日」は、現在私たちが生きている日常そのものなので、下調べもなしに書くことができる。
しかし異能力者がこちらの世界側に来て云々という話は、現実では起りえない話。
そのぶん想像力が必要になる(非現実のため、資料もなにもないので)。異能力者たちの世界や武器、戦う理由、敵の正体なども想像しなければならない。しかし最も想像しなければならないこととは、「現代日本の高校生」が「何故」異能力者たちと協力して戦っていくのか、ということ。
これには、リアリティが必要になってくると思う。現代日本を舞台にする場合、どうしても
「現実にそれが起ったら人はどうするか」ということがイメージできてしまう。そこで、たえばファンタジーRPGの主人公のように、熱血で勇気がある行動がとれるものだろうか(高校生である主人公が特別、正義感や勇気のある人間なら、そういう行動をとることもあるかもしれないが)。もし現実において非現実的な現象が起きたとすれば、人はまず第一に
戸惑うだろう。その後、事なかれ主義で逃げるか、好奇心から近づくかは主人公の性格次第になるだろうが。


○気になった点
第1終曲:テスト終了→カラオケ約束→主人公帰宅→公園で襲ってくる敵(一般人が殺され、主人公に襲いかかる)関係のない人でも、人が死んだらもっと衝撃をうけるものだと思う。
普通に敵と会話して「よし、なんとか生き残るぞ!」となるのには違和感がある。
現代日本を舞台にする場合、人が死ぬということは異常な事態なのだから、一般人がそれに遭遇したらどえらい衝撃をうけると思う。
そういう場面で主人公がスネークパラダイスとか言ってしまうのも。
敵との戦いでピンチになり、「もうこれ以上人が死ぬのはごめんだ云々」みたいな台詞を主人公が言うが、やはり違和感。戦闘前段階で、目の前で起った殺人に衝撃もうけない主人公が、その後知人や自身がピンチになってその台詞を言うかどうか。
現代日本では殺人はかなり異常な出来事であり、慣れていなければ通常そういった反応を示すはず。


○もし改善するとしたら
→初めて目の前で人が死んだのだから、もっと衝撃をうけたという描写をする。気分が悪くなったり、怖気づいたり。
それも、台詞で「怖い」と言わせるだけでなく、あとずさったりさせ行動に表すのもよい。
とにかく、プレイヤーに向けて「主人公は衝撃をうけた」ということを演出し、強調しなければならない。
人を守りたい、という主人公の戦う動機に関連する部分なので、描写に時間をかけるのは悪いことではないと思う。
→その後、窮地に陥ったとき(=敵に殺されそう、とか)に、戦闘前段階の殺人をフラッシュバックさせる、などの方法を取り、いかに主人公が人を守りたいかを描写する。主人公は「何故」人を守りたいか、理由付けが自然な形で行えると思う。
ただ、後から「主人公のあのときの行動は実はこういう意味があった」となれば、違和感のある行動も意味を帯びてくる。
主人公が異世界の武器を使える、という一点がそれを暗示させているようでもあるので、実は見当違いなことをここで言っているのかもしれない。



イカ男を登場させるなら、今回はギャグの回と割り切ってやるほうがよかったかも。
レオの空気が読めていない感じが出ていたのは良かった。
その分、その後のシリアスな展開に無理が生じたのかも。