死神探偵スズキ(第8話まで)

毎話安定したおもしろさを持つシナリオ。更新が待ち遠しい、とはこのことか。
7話は結局事件が解決できなかった、というオチか?ちょっと消化不良かもしれない。ただ、雨の音関連の心理描写はなかなかおもしろい。背景や音の描写で、人物の心理を暗に示す手法というものは、なかなか使えるものではないだろう。
8話の某金田二のような山荘密室殺人事件は、ある意味このシナリオでは新鮮。
ただし結末は二転三転。予想を裏切って、よりダークな展開になだれこむのはもはやこのシナリオの肝とも言える。
戦闘も味方が少ないながらも、頭を使う。一度ではクリアが難しいが、ちょっと頭をひねればクリアできる絶妙なバランス。


ヒルでネガティブなスズキと、死んでいるにも関わらず陽気な死神の掛け合いが基本にあるから、一定上の質が保たれているのだろう。
死神も、「死」に触れるときはかなりドライな振る舞いを見せたりする。スズキとの微妙な、しかし悲しい関係も物語りに厚みを加えている。
高いプレイ継続性は、そのへんにあるのかもしれない。
たとえばこれが漫画やアニメの場合、長く続けていくか、短いスパンで重厚な物語を一気に完成させてしまうか、どちらかだろう。
長く細く続けると、安定したおもしろさでより多くのユーザ(≒視聴者)の獲得ができるだろうが、マンネリにつながる。
短く太く見せるなら、いろんな「作り込み」を作品に詰め込んで、「実はこの場面にはこういった意味がある」というような議論がなされるような作品になっていくのだろう。
世界観や人物設定を作りこんであるけれども、作品中にはさりげなく見せるだけ。そういうモノはカッコイイ気がする。